今日の東京は、最高気温が１２℃程度しか上がらず、１２月並の寒さだったそうです。一週間前は、最高気温が２９℃ありましたから、秋を通り越し、一気に冬がやって来た感があります。

朝晩冷え込む季節になると、温かい布団から抜け出すのに苦労する方も多いのではないでしょうか？夜中にトイレに起きたとき「ブルッ」と寒さに身が縮こまる感じを覚えることがありますが、このとき、血圧は急上昇しているそうです。人によっては、脳卒中や心筋梗塞を起こす危険もあり、暖かい場所と寒い場所の温度差が大きくなる冬場は、特に注意が必要です。

ところで、血圧に関連して、興味深い研究があります。英国エジンバラ大学の研究によれば、皮膚が日光(紫外線)にさらされると、皮膚細胞内に蓄えられていた窒素酸化物が活性化し、一酸化窒素という物質を皮膚から血流中に放出することが判ったそうです。一酸化窒素は、血管を弛緩させて広げ、血流量を増やします。つまり、血圧を下げます。これは、心臓や血管の健康維持に重要な意味を持ちます。

実験では、エジンバラの夏の日差しに３０分当るのと同程度の紫外線(但し、UV-Aのみ)で、被験者の一酸化窒素の生成量が増加し、血圧が下がったうです。ちなみに、エジンバラは北海道より北にあり、北緯５６度あたりです。

北緯５６度線の全座標を示した地図へのリンク(Google)
https://goo.gl/18nx3T

今も研究は続けられていますが、少なくとも、日光浴により紫外線を浴びると、血流や血管拡張に良い効果がもたらされることが分かってきました。紫外線は、皮膚のシミやシワ、更には、皮膚がんの原因となることが知られていますが、リスクだけでなくメリットもあることを知ることは、大切なことと思います。

どの程度の日光浴ならば、安全で、血圧や心血管疾患に有益なのか、是非、知りたいところです。今後の研究成果に期待します。

Source:

The University of Edinburgh
2013 News “Sunshine could benefit health”
https://goo.gl/B191Pr

TED Talks
リチャード・ウェラー：太陽光は健康にいいかもしれない？
https://goo.gl/6HmgJ6

The University of Edinburgh
Public Lecture Series 2014-2015
Let’s talk about understanding disease
“Let sunshine into your heart”
https://goo.gl/6HmgJ6